関東大会出場の権利をかけた春季大会準決勝が行われ、桐光学園が終盤の集中打で逆転勝利した。曇天で開始した試合は中盤からは気温の低下と共に雨脚が強まる中、先発した横浜の木下が突如乱れ、一方で桐光学園のエース安達は最後まで安定した投球で逆転を呼び込んだ。
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横浜 030 000 000 =3 H9 E0
桐光 000 000 41X =5 H5 E0
[横] 木下、及川-山口
[桐] 安達-高橋、有賀
[本] 唐橋(桐)
[二] 安達(横)安達(桐)
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❚ エースナンバー木下の出来は十分
木下は失点するまでほぼパーフェクトの投球。ストレートのキレとスプリットが冴えて9奪三振を奪い、カウント悪くしても四球になることなく抑え込んでいた。極寒と雨天という悪環境に加えて、追加点の援護がない中で孤軍奮闘しており、桐光学園レベルの相手でもしっかりゲームを作れることを示した。打線さえ機能すれば神奈川のベスト4レベルでも先発で試合は作れる。被弾した変化球は明らかに失投で、選抜で明豊から打ち込まれた際と同じ光景だったため、本人よりもベンチの継投タイミングも再考したいところ。
❚ 春季温存の及川は夏に期待
及川は木下が被弾した直後に登板して2三振を含む完全な投球で攻撃を止めた。投球練習では大暴投する姿もあったものの、ストライク先攻でチェンジアップも交えた緩急で組み立てていた。ストレートは最速130キロ中盤だったものの、やはり三振を奪う及川は魅力がある。次の回は四球連発からタイムリーを打たれて失点したものの、その後は崩れることもなかった。これで、普段の140キロ超のストレートを投げ込めば、本来の力を取り戻しそうな期待がもてた。あとは実戦のみ。関東大会は出場できないが、強豪校との練習試合や、6月の香川招待試合にて圧倒的な力を取り戻してほしい。
❚ 主軸は機能せず迫力に欠ける
2回の得点は下位打線の見事な連打。1年生でレギュラー出場を続ける安達が公式戦初タイムリーは好材料。木下も2安打で気を吐いた。課題は上位打線。3得点した後に犠牲フライでも追加点を取れるシーンで内野フライ。内海がバッターとはいえ、現在の状態であれば連打したあと流れを変えてスクイズで加点するのが歴史的な横浜の流れな気がした。度会もベスト4レベルが相手になると結果を残せない印象。津田や富田など2年生の主軸も相手の脅威になるバッティングはできていない。打線が一皮むけると、桐光学園でも東海大相模でも接戦で勝利できる可能性は高まるだけに、夏に向けて打順の再考も含めて期待したい。
❚ エラーの記録はゼロも決定的なミスが目立つ
逆転された回で決定的なミスは、サードゴロを度会がファーストへワンバウンド送球したことによりノーアウト1,2塁にしたシーン。完全に打ち取っており、流れを止めることができたのはあのシーンであった。星槎国際湘南との春初戦でも、残り1アウトでタイムリーエラーをした度会だが、サードの守備は不安定と言わざるを得ない。守備だけであれば庄子のほうが抜群に安定している。内海をセカンドに配置したことで、押し出される形でサードに回っているものの、来年度のチームではセカンドへ戻すほうが良いかもしれない。ちなみに、シートノックをみていてもショートの津田の守備は送球も含めて安定しており、こちらは安心してみていられる。
平成最後の公式戦を敗退した横浜だが、課題が多いことは伸びしろの証。順調に行くと、夏は準決勝にて東海大相模との対戦となるので、大一番に向けて強い横浜の復活を期待したい。
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