春季高校野球神奈川大会は、選抜王者の東海大相模が貫禄の優勝となりました。これで、神奈川県の大会は6季連続優勝です。
東海大相模は夏を見据えて二番手投手を中心に継投で勝ち上がりました。初戦となった平塚学園戦こそ、エースの石田投手を引っ張り出してギリギリの勝利となりましたが、最も苦戦したのはこの対戦のみで、他にも「1点差」の試合が2試合ありましたが、点差以上に強さを感じる勝ち上がりでした。
石川投手、求投手の甲子園経験の右腕に、速球派の大森投手も十分計算できます。左腕の武井投手も柔らかいフォームから切れ味のあるストレートを投げ込み、来年度のチームではエース候補です。いずれの投手も、試合を作れる安定感と、重要な場面で登板しても大崩れしないメンタルの強さを感じます。エースの石田投手が控えているという安心感というか心強さも大きいと思います。
また、東海大相模は相手のミスを確実に得点に結びつけます。四球やエラーで出塁すると、一気に主導権を握って、いつの間にか1点が入っており、打線が繋がると大量点がどの打順からでも取れます。山村選手や西川選手のいた破壊力が持ち味の打線と比べると見劣るイメージを持ちますが、実は総合力では現チームのほうが高いことは結果が示しています。
送球ミスなどは所々にあり、付け入るスキが無いわけではないのですが、総合力で大崩れしないチームなのでワンチャンスをものにして、ミスのない接戦に持ち込まないと勝てないかもしれません。
桐光学園は前評判がなぜかそれほど高くなかったのですが、明らかに東海大相模に次ぐ戦力です。中嶋投手と針谷投手の両右腕は本格派で三振が取れるタイプです。最近は左腕エースの多かった桐光学園ですが、この2枚看板は明らかに全国レベル。ここに、最速143kmを誇る右腕の工藤投手が入学したので、来年以降の桐光学園の投手陣は相当にレベルが高いと思われます。
決勝戦も1点差の敗戦で見せば十分でした。救援した針谷投手は無失点です。夏に向けて大きな経験と収穫だったと思います。犠打をしっかり決めて、チャンスで確実に加点する攻撃、計算された守備位置など全体的にハイレベルで、ここに右腕両名がいるのですから接戦に持ち込めるのも納得です。夏の大会では決勝まで東海大相模とは対戦しませんので、石田投手が相手になった時に、どれだけ失点を防げるかが課題となります。
横浜高校は準決勝でコールド敗戦。昨秋の東海大相模戦と似たような戦いで、金井投手の状態が気になる結果となりました。個々の能力は明らかに高いと思いますし、チームとしても変化を感じるので発展途上の結果だっと思います。捕球ミスや外野のお見合いなどは明らかに集中力が欠けており、悪いところが全て出た試合だったと思います。勢いある時は一気に畳みかけますが、打てない時は単調な攻撃で終了するイメージは変わらず、攻撃力は上位両行と差を感じます。
金井投手は制球を乱しました。現地ではわかりませんでしたが、TVで見るとストレートのキレの良さは凄いものがあります。正直あのストレートがコントロールされれば簡単に打つことはできないと思います。それと、高速スライダーは健在。元桐光学園の松井投手や、元横浜高校のエース及川投手が投げていた「お化けスライダー」と似たスピード感です。1球だけど真ん中に入ったボールを狙い撃ちされたセンター前ヒットとなりましたが、その他は殆ど空振り。また、三振を取る際に使うチェンジアップもボールに当てることすら難しい軌道でした。夏の大会までの2か月間は強豪校との練習試合が繰り返されると思います。目標を夏の準決勝「東海大相模戦」にだけ絞り、エース石田投手とのハイレベルな投手戦を期待したいです。
横浜高校の総合力は高く、現時点で突出した3番手だと思います。上位二校との差はあります。下位打線でもう1枚強打のバッターが欲しいところですが、八木田選手がレギュラー番号を背負っているので春の大会でもう少し見たかったところです。打順は流動的ですがメンバーは殆ど固定されている1番~7番までの打線はタレント揃いで、東海大相模とも個々の能力では差は無いと思います。投手陣は、宮田投手と田高投手は試合を作れます。佐竹投手は横浜高校の左腕らしい柔らかさを持ちますが制球が課題。山田投手は手術明けと聞いておりますが、ストレートは力強く、ベスト8クラスまでは十分に勝ち切れる投手。既にベンチ入りしている1年生の鈴木投手や杉山投手も140kmを超える速球派のため注目されます。
関東大会では、桐光学園がどこまで上位に進出できるかによって、神奈川県勢のレベルがわかると思います。東海大相模は結果を残すことで全国のチームにインパクトを与えることができるため石田投手もしっかり投入してくると思います。連勝をストップできるチームがいるのか注目です。
0 件のコメント:
コメントを投稿