2021年7月29日(水)保土ヶ谷
高校野球夏季神奈川大会・決勝戦
横浜(17-3)横浜創学館
横浜高校が復活の優勝となりました。
24安打17得点。投げては、1年生の杉山投手の快投で序盤を完璧に抑え、投打で圧倒という言葉が相応しい決勝戦だったと思います。
横浜創学館のドラフト候補「山岸投手」はスリークォーターから鋭い直球を投げ込み、今大会では初めて対峙するタイプでした。初回は簡単にツーアウトとなりますが、金井選手の死球の直後、立花選手が外角を逆らわずにライト前へ運び、好走塁で一気に生還した走塁が試合の流れを一気に決めたかもしれません。サードコーチャーの中藤選手のファインプレーです。
その後も、毎回加点してゆくのですが、殆どがセンター返しか逆方向、引っ張ったとしてもミートに徹しているので内野手の間を鋭く抜けてゆきます。ホームランを狙えるタイプのバッターが揃う打線が、徹底した軽打を繰り返すと手が付けられません。
また、犠打の失敗が無く、意表を突いた岸本選手のセーフティなど、攻撃に多様性があります。そして、個人的に勝負を付けたと思うのは、4回裏にサードにいた岸本選手が、キャッチャーの僅かなパスボールを見逃さずに本塁を狙い、クロスプレーでセーフになったシーンです。これで9点目なのですが、あの集中力は精神的なダメージを相手に与えたと思います。
6回と7回は少し攻撃が淡白になりましたが、8回には安達主将のライト前ヒットと、立花選手のタイムリーで加点し、最後は宮田選手のスクイズで17点目を取る。甲子園を見据えた戦い方ができていたと思います。
先発は1年生の杉山投手。間隔的に想定はされていましたが、9回ツーアウトまで投げ切り、本来は完投ペースでした。初回の入りが良かったのですが、先頭バッターの鋭い当たりをサードの宮田選手が慎重に捌いたことが非常に大きかった印象です。その後は淡々と抑えてゆきます。
疲れの見えた7回に被弾しますが、追い込んだ後に少し甘く入ったところを上手く打たれました。修正可能だと思います。その後もピンチを背負いますが併殺で抑えるあたり「強心臓」と言われるのが良くわかります。
8回は守備が少し乱れたところ、タイムリーを浴びますが、大崩れしません。9回はギアチェンジして球威も衰えておらず、ここまで投げ切らせる村田監督の信頼を感じました。甲子園を経験することで、ターゲットにされる世代を代表する左腕に成長するかもしれません。
最期のバッターは金井投手が登板して1球で締めました。投球練習でストライクが入るだけで会場が拍手するのは、選抜敗退後に及川投手が春季大会に登場した時を思い出しました。もっと球速は出ると思いますが、外角にコントロールされた力のあるストレートは完全に押し込まれライトフライでゲームセット。苦しんできたチームを象徴する金井選手に集まる選手たちの光景は非常に感動的なものでした。
村田監督は、実質本格的にチームを作り上げた初年度と言える状況で「結果」を残されたことが本当に凄いと思います。優勝インタビューでも、渡辺元監督や小倉コーチ、代々のOBの方の支援を徹底的に作り上げたのだと思います。
甲子園の開幕までは10日ほど。今年は、大阪桐蔭が異次元の強さで優勝候補の筆頭となると思いますが、神奈川大会のような「繋ぐ野球」をすれば大敗や大崩れはしないチームです。ブラスバンドも制限付きでOKとなりましたので、久しぶりに横浜高校の応援を楽しめる甲子園が待ち遠しいです。
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