【所感】横浜高校 vs 広島新庄(2021選手権)

2021年8月12日木曜日

2021

t f B! P L

 2021年8月11日(水)阪神甲子園球場

横浜(3-2)広島新庄


1回戦屈指の好カードと言われた対戦は、9回裏2死までリードしていた広島新庄を、1年生の緒方選手による劇的な逆転サヨナラ3ランで逆転した横浜高校が勝利しました。


試合は完全な投手戦。広島新庄は、140キロを超えるストレートと落差の激しいスライダーを中心にコントロール抜群のエース花田投手が要所を締めます。横浜は、実質エース格の宮田投手が多彩な変化球と絶妙なコントロールで打たせて取るピッチング。


横浜は初回から常に得点圏にランナーを進めるも得点できず、打てないというよりは花田投手のレベルが高く、神奈川大会のような低い弾道の単打が出ません。得点機にも、4番立花選手のセンターへ抜けそうな強烈な打球をセカンドがファインプレーで併殺に。守備も固く耐久戦に突入します。


5回表、広島新庄は先頭バッターがヒットで出塁し、すかさず盗塁を成功させます。立花捕手は完全に読んでおり投球を外しましたが、捕球をミスしてしまいます。同じようなシーンは9回表にもありました。宮田投手はその後も凌ぎますが、広島新庄の1年生河野選手に内角ストレートを詰まりながらセンターへ運ばれて先制を許します。直前のストレートを振り遅れていたことで、内角ストレートで勝負に行きましたが、ここではバッターが上手でした。


その後も宮田投手は8回まで4安打無四球で抑え込みます。一方で、花田投手から西井投手へ予定通り継投する広島新庄は、ランナーは出しつつも後続をしっかり押さえて9回を迎えます。


9回表に、横浜はエースナンバーの1年生杉山投手を登板させます。宮田投手はサードへ。神奈川大会同様に淡々とカウントを稼ぐ杉山投手。先頭バッターも打ち取りますが、ファーストベースカバーで落球して無死でランナーを出し、続くバッターにはクリーンヒットを、更に打ち取ったあたりがライトへ抜けてタイムリーになります。決定的な2点目が入り、なおも無死2,3塁。ここからスクイズなどで加点される恐れもありましたが、杉山投手が後続の3人を抑え最少失点で9回裏へ突入しました。


9回裏、先頭の岸本選手が彼らしい強烈な弾道のライナーでライト前ヒットを放ちます。続く同じく2年生の玉城選手は追い込まれながらも無理せずミートしてあたりでセンターへはじき返して無死1,3塁。代打の延末選手、この日2安打の板倉選手は凡退し追い詰められます。2死で1番の緒方選手。初球のチェンジアップが大きく外れ、カウントを取りに来た2球目をコンパクトに振り抜いたあたりが浜風に乗りレフトスタンドへ。9回2死から、起死回生の逆転サヨナラ3ランで横浜の勝利となりました。


緒方選手は公式戦初ホームラン。練習試合を入れても2本目とのこと。この日は初回に先頭バッターで初球をセンター前にはじき返し、軽快な守備でノーエラーを支えました。チャンスでの三振や、犠打失敗などの反省点はあるものの、大振りせずに監督の教え通り「ボールの内側を打つ」という徹底した姿勢が最高の結果を生んだ形になりました。


想定通りの好ゲームになりましたが、最終的には「9安打」しておりノーエラーで投手陣は無四球。そして、結果として勝利しているので、ここ数年の横浜とは明らかにチームの底力が違う印象を持ちました。


盗塁対策や確実な犠打など、修正できる課題も見つかっており智弁学園戦に向けては上積みがありそうです。宮田投手と杉山投手のコントロールは全国レベルの相手でも勝負できることは分かりました。天候不良で次戦までかなり時間が空きますが、コンディションを整えて大一番へ望んでもらいたいです。


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❚ 広島新庄

000 010 001 = 2 (H7 / E=0)

000 000 003 = 3 (H9 / E=0)

❚ 横浜


広島新庄:花田 - 西井 - 秋山

横浜:宮田 - 杉山

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