2023年7月26日(水)横浜スタジアム
選手権神奈川大会決勝
慶應義塾(6-5)横浜
三連覇を狙った横浜は9回に2点差を逆転され敗戦。最後は慶應との打力差を象徴する幕切れに。緒方と杉山が支えてきたチームは神奈川決勝に相応しい激戦を以て終幕。
杉山の調子は悪くは無いものの、2回に失策絡みで2失点。タイムリーも犠牲フライもあっさりと献上。秋の序盤が過るが、しっかり立て直す。6回もバント処理ミス絡みで失点。ここまで、自責点はほぼ無い状態だが、記録に残らないエラーもあり守り切る野球はできなかった。8回は三者連続三振で、このまま押し切るかと思いきや、9回はマウンドに上がる際から明らかに疲弊しており、世間を騒がしているプレーも挟み、高校野球らしい劇的な逆転本塁打を浴びる。ストレートも130キロ台に落ちており、フルカウントから甘く入った打球を慶應打線は逃さない。鈴木や山﨑の投入可能性もあったが、最後まで杉山を信じた結果なので致し方ない。ただ、先頭打者を出すシーンが多く、慶應の小宅よりもカウントで苦しんでいる印象。5四球というのは杉山の本来のスタッツではない。直球の威力は明らかに増したが、打たせて取る杉山本来のパターンが決勝戦では見られなった印象は受けた。
守備は再三緒方の好プレーに救われる。送球ミスや捕球ミス、ピッチャーへの返球、モーション盗まれた三盗など、守備の課題は多かった。総合力がベースとして高いのだが、鉄壁の守備で守り勝つ前チームのような完成度は無かった。
打線は二巡目から。萩の豪快なホームランで1点返し、5回には四球と敵失で得たチャンスに、途中出場の小泉が意地のタイムリー。阿部のショートゴロの間に同点に追いつき、最後は杉山みずから中越えタイムリーで一気に逆転。ワンチャンスをモノにする強い攻撃で、更に峯が昨秋に続いて小宅よりホームランを放ち突き放す。本来であれば完全なる勝ちパターンだが、悔まれるのは逆転した直後のチャンスで畳みかけることができなかったシーンになる。9回に慶應・渡邉のスリーランで逆転された後は、反撃する余力は残っておらず、3番手の松井に抑え込まれた。逆転された後の終盤、見せ場なく敗退するシーンは多く、土俵際の粘り強さが欲しかった。大会を通じて、スクイズによる得点は記憶にない。初回に緒方と椎木のヒットでチャンスを作った後、たとえサプライズ起用の4番栗山であったとしても、スクイズで確実に1点を取りに行くかと思ったが、チーム全般的に犠打をはじめとする小技での揺さぶりは明らかに少なかった。
杉山次第という予想通りの結果となったが、横浜の勝ちパターンだったことは間違いなく、些細な運で敗退となった。慶應・森林監督のコメントは言い得て妙。浦和学院や専大松戸が、決勝戦を継投で勝ち切った試合を観ていると、ポテンシャルは相応の面子が揃ってる投手陣の総合力さえあれば、甲子園でも上位に行けるチームだったと感じる。
新チームは8月中旬から秋季大会の地区予選が始まる。力関係は残存戦力を鑑みると拮抗すると見られるが、投手力は慶應と相模が強力なため、杉山を頂点としていた横浜筆頭の状態ではなくなる。未知数である窪田や安松など、新戦力の台頭を期待したい。そんな中、来年の新入生は凄まじそうな良いニュースも。
なお、大学進学を明言してる緒方漣。ベース踏み忘れ騒動は「緒方が上手すぎた、以上。」ということで、彼の「実績・実力・人気」は揺るがない。体の大きさを言われることもあるが、阪神・中野のような存在に数年後はなってもらいたい。
0 件のコメント:
コメントを投稿